2018年07月25日
奇人の日常風景
デヴィッド・リンチ監督はミステリアスな作風で知られる映画監督として知られている。音楽作品や絵画作品も発表しコーヒー農園まで経営している多才振り。そのデヴィッド・リンチ監督の日常にスポットを当てたドキュメンタリー映画が公開されたタイトルは『デヴィッド・リンチ:アートライフ』である、タイトル通りデヴィッド・リンチ監督の日常が淡々と進行し本人のインタビューを交えながら創作と自身のデビュー作までの歩みについて語る内容。映画の内容自体はタイトル通りで予想できる内容、淡々と静謐に進行と書くとこの映画も所謂ミニシアター系映画のある法則に則っているとも言えるか。小規模の作家性ある監督の映画は様々なジャンル性が表現されているがその映画内容とは別に淡々と進行する映画が多いのは予算的都合と作家的視野狭窄なのかもしれない。このドキュメンタリー映画はデヴィッド・リンチの長年のファンを良くも悪くも裏切ることになる、はっきり言えば余りにも抑揚のない映画進行はデヴィッド・リンチ映画のような変化とは著しく乖離が伴う内容だからだ。とは言え奇人とも言われているデヴィッド・リンチの日常生活に焦点を当て彼の生活空間から創出されるアート作品がどのようにして産出されるのかがわかる点こそ本作の意義はあったと言えるだろう。子供時代の貴重な写真と映像そして学生時代に撮った短編映画。
フィラデルフィアという狭い地域社会特有の居心地の悪さを常に感じていたらしい、それはアートを表現する者または享受する者なら理解できる状況である。ワタクシが住むこの沖縄にも当て嵌まるし友人のとある画家のことを必然的に思い出した。彼はよく沖縄社会に於けるアートの不理解を嘆くのだが、フィラデルフィア時代のデヴィッド・リンチにも通じる感覚と感性だと思う。本作の背景で使用されている音楽はジョナサン・ベンタによるもの。デヴィッド・リンチの音楽作品風に作っているところがミソか?デヴィッド・リンチは現在までに2枚の音楽作品を発表している。企画ものやEPを数えると約9枚になる。作風はインダストリアルなブルーズと言える独特な質感に溢れた作品でデヴィッド・リンチにしか作れない音楽になっている。
著作もあり『大きな魚をつかまえよう リンチ流アート・ライフ∞瞑想レッスン』が翻訳されている。
そしてデヴィッド・リンチは大のコーヒー好きでありコーヒー豆の有機栽培の農園を所有し自身のホームページで販売も手掛ける。名作テレビドラマの『ツインピークス』で主人公のカイル・マクラクランがよくコーヒーを飲むシーンが印象に残っているけど、それは自己の反映だったということか。写真と絵画も手掛け個展も開くこともある。初期の名作『イレイザーヘッド』のモノクロ画像は写真的な質感を湛えていると今にして気付く。本作は自宅兼アトリエで25時間掛けて撮られたものを編集したらしい、ここまで密着しデヴィッド・リンチに迫ったドキュメンタリー映画はなかったのではないか。フィラデルフィアという街が悪夢的な退屈さと憂鬱さに満ちていなければアーティストとしてのデヴィッド・リンチは生まれなかった、ネガティブな状況への抗い希求するものがアートなのではないかとこの『デヴィッド・リンチ:アートライフ』を観て多くの事を考えさせられた次第。とは言いつつも全体の尺は短すぎはしないかい?
ライフデザインアカデミー(ライフデザインコーチ養成講座)インフォカート・インフォトップ
フィラデルフィアという狭い地域社会特有の居心地の悪さを常に感じていたらしい、それはアートを表現する者または享受する者なら理解できる状況である。ワタクシが住むこの沖縄にも当て嵌まるし友人のとある画家のことを必然的に思い出した。彼はよく沖縄社会に於けるアートの不理解を嘆くのだが、フィラデルフィア時代のデヴィッド・リンチにも通じる感覚と感性だと思う。本作の背景で使用されている音楽はジョナサン・ベンタによるもの。デヴィッド・リンチの音楽作品風に作っているところがミソか?デヴィッド・リンチは現在までに2枚の音楽作品を発表している。企画ものやEPを数えると約9枚になる。作風はインダストリアルなブルーズと言える独特な質感に溢れた作品でデヴィッド・リンチにしか作れない音楽になっている。
著作もあり『大きな魚をつかまえよう リンチ流アート・ライフ∞瞑想レッスン』が翻訳されている。
そしてデヴィッド・リンチは大のコーヒー好きでありコーヒー豆の有機栽培の農園を所有し自身のホームページで販売も手掛ける。名作テレビドラマの『ツインピークス』で主人公のカイル・マクラクランがよくコーヒーを飲むシーンが印象に残っているけど、それは自己の反映だったということか。写真と絵画も手掛け個展も開くこともある。初期の名作『イレイザーヘッド』のモノクロ画像は写真的な質感を湛えていると今にして気付く。本作は自宅兼アトリエで25時間掛けて撮られたものを編集したらしい、ここまで密着しデヴィッド・リンチに迫ったドキュメンタリー映画はなかったのではないか。フィラデルフィアという街が悪夢的な退屈さと憂鬱さに満ちていなければアーティストとしてのデヴィッド・リンチは生まれなかった、ネガティブな状況への抗い希求するものがアートなのではないかとこの『デヴィッド・リンチ:アートライフ』を観て多くの事を考えさせられた次第。とは言いつつも全体の尺は短すぎはしないかい?
Posted by NaohikoIsikawa at 02:38│Comments(0)
│アメリカ映画